ところが現代のブロックチェーンは、取引の記録を全部、誰にでも見える場所に置いています。
なぜ安全なのでしょうか。
その共通点を3つたどりながら、最後に冒頭の謎を解きます。

もふねこだよ🐾 ボクが暗号資産でいちばん驚いたのが、ここなんだ。
「隠さないほうが安全」って、最初は意味がわからなかったよ⁉️ 最後まで読むと、その理由がわかるようになってるよ🐾
📝 この記事の目次
🗾 共通点①:情報を1か所に置かない
狼煙(のろし)は、戦国大名が軍事上の通信網として運用した仕組みです。山などを利用して遠くまで合図を伝え、ひとつの拠点から次の拠点へと中継していきます。途中の1か所が使えなくなっても、別の経路が残っていれば情報は届きます。
公開型のブロックチェーンも、似た考え方でできています。取引の記録(台帳)を1台のコンピュータで管理するのではなく、多数の参加者が台帳のデータを共有し、それぞれが検証します。これを分散台帳(ぶんさんだいちょう)と呼びます。一言でいうと「同じ帳簿を、たくさんの人が同時に持っている状態」です。

銀行のシステムは何重にもバックアップされてるから、そう簡単には止まらないよ。でも「その帳簿を管理しているのは、その銀行1社だけ」なんだ。
ブロックチェーンは、そこを変えた仕組みだよ🐾
🤝 共通点②:ひとつの報告だけでは動かない
情報戦において、ひとつの報告だけで動くのは危険でした。狼煙のような合図には、敵が偽の煙を上げる「なりすまし」や、天候による見誤りのリスクも考えられます。受け取った合図が本物かどうかを確かめる必要がある、という問題は避けられません。
ブロックチェーンも同じ問題を抱えています。誰かが「これが正しい記録だ」と言い張っても、そのまま台帳には載りません。参加者がルールに従って、どの記録を正しいものとして採用するかを決める——この仕組みをコンセンサス(合意形成)と呼びます。
一言でいえば「1人の言い分では帳簿に書かない」というルールです。
ここは2つの層に分けると正確です。ルールに反する取引は、多数派が支持しても通りません。一方、枝分かれしたときにどちらを正しい記録とするかは、多数派の側で決まります(ビットコインの場合は投じられた計算量の多いほう)。具体的な方法はブロックチェーンごとに違い、詳しい仕組みは姉妹サイトで図解しています。

「複数で確かめる」って、人間の組織でも機械のネットワークでも結局おなじなんだよね🐾
⛓️ 共通点③:一度流したものは、取り消せない
狼煙は、上げてしまったら消せません。見た人の記憶からも消せません。
ブロックチェーンも似ています。一度書き込まれた記録は、後から書き換えることが極めて困難な構造になっています。過去の記録を書き換えるには、そこから先の分をすべて作り直さなければならず、正直に動いている参加者全体を上回る計算量が必要になるためです。
ここは便利さと怖さが背中合わせです。書き換えが極めて困難ということは、自分の操作ミスも取り消せないということでもあります。送り先を間違えても、ブロックチェーン上の通常の送金には、銀行のような中央の管理者が取り消してくれる仕組みがありません。

ここはボクも正直こわいと思ってる部分だよ💦 「あとで直せばいいや」が通用しないんだ。
だから最初は必ず少額で試す。これは臆病なんじゃなくて、正しい使い方だよ🐾
🔄 謎の答え:隠すか、見せたうえで鍵で守るか
忍びにとって、情報を隠すことは重要な手段のひとつでした。
たとえば忍術書『万川集海(ばんせんしゅうかい)』には、五色の米を用いた情報伝達の方法が記されているとされます。ただし同書は延宝4年(1676年)に成立した江戸時代の編纂物であり、戦国期に実際こうした方法が使われた証拠にはなりません。忍術の伝承として語られてきた側面もあります。
こうした方法に共通しているのは、情報の存在そのものに気づかれにくくするという発想です。
ブロックチェーンは、その真逆です。取引の記録は誰でも見られます。
では、なぜ全部見せて平気なのでしょうか。答えは「見えても、動かせないから」です。
| 忍びの情報戦 | 公開型ブロックチェーン | |
|---|---|---|
| 記録 | 存在を気づかれにくくする | 全部公開する |
| 守り方 | 隠して守る | 見せたうえで、鍵がなければ動かせない |
| 弱点 | 隠し場所を見つけられたら守れない | 鍵を失ったら本人も困る |
隠すことで守るか、見せたうえで鍵で守るか。500年を隔てて、情報の守り方についてのひとつの発想が、正反対の形になっているわけです。

「見られてるから安全」じゃないんだ。書き換えようとすると、正直に動いてる全員より多くの計算をしないといけない——だから割に合わない。
隠して守るのをやめて、コストで守ることにした。これがブロックチェーンの発想だよ🐾
🛡️ 現代の私たちが持ち帰るもの
忍びの情報戦とブロックチェーンを並べて見えてくるのは、こういうことです。
- 1か所に集めない。バックアップも資産も、壊れたときに全部は失わない形にしておく
- ひとつの情報を鵜呑みにしない。SNSで流れてくる儲け話も、複数で確かめる
- 取り消せない操作がある。送金も、鍵の紛失も、やり直しがきかない
暗号資産に触れてみたい場合も、慎重さは崩さないでください。まずは少額から。生活費や老後資金とは必ず分ける。価格は大きく上下し、最終的には自己責任です。

忍者だって、いきなり本丸に飛び込んだりしなかったよね。まずは外堀から、少しずつ🐾
❓ よくある質問(FAQ)
Q. 記録が全部公開されているなら、誰が何を持っているか丸わかりなのですか?
取引の記録自体は公開されていますが、そこに表示されるのは氏名や住所ではなく、英数字の文字列(アドレス)です。誰のものかが自動的にわかるわけではありません。ただし完全な匿名でもないため、「公開情報である」という前提は持っておいたほうが安全です。
Q. 忍者の暗号とブロックチェーンは、本当に技術的につながっているのですか?
つながっていません。技術的な系譜関係はなく、本記事の冒頭でもその旨を明記しています。「情報を守るという課題に対して、時代が違っても比べてみると面白い」という比較として紹介しています。
Q. 暗号資産は結局、詐欺ではないのですか?
暗号資産そのものは暗号技術で動く仕組みであり、詐欺ではありません。ただし、その仕組みを悪用した詐欺は実際に数多く存在します。「怪しい」と感じる警戒心は正しいものなので、捨てる必要はありません。手口を先に知っておくことが、いちばんの防御になります。
Q. 少しだけ試すことはできますか?
少額から購入できるサービスもあります。ただし最低購入額はサービスごとに異なり、変更されることもあるため、実際の金額は各社の最新情報をご確認ください。なお販売所形式では、売値と買値の差(スプレッド)が実質的なコストになります。
本記事は購入をすすめるものではありません。試す場合も、生活費や老後資金とは切り離した範囲にとどめてください。
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忍びは、隠すことで守りました。ブロックチェーンは、見せたうえで鍵で守ります。
では、私たちはどちらを選べばいいのでしょうか。
答えは「両方」です。記録は公開されても構いませんが、鍵は自分で隠す。この使い分けができるかどうかが、現代の資産防衛の分かれ目になります。
そして、その鍵を狙ってくる相手のことは、先に知っておいたほうがいいです。

「暗号資産って怪しい」と思っている人は、その感覚を捨てなくていいよ。むしろその警戒心は武器なんだ。
だから最初に読むといいのは、始め方じゃなくて「だまされ方」のほうだと思ってる🐾