暗号技術がいくら強固でも、私たちの安全が保証されているとは限りません。なぜなら、暗号そのものではなく、その周辺にある“隙”を突く攻撃が存在するからです。それが「サイドチャネル攻撃」。今回はこの新しい攻撃手法について、もふねこと一緒にわかりやすく解説していきます。
✨サイドチャネル攻撃とは?
🔍 暗号理論では守れない、現実の“スキ”を突く攻撃

暗号って、理論的にはすごく安全に設計されてるんだけど…実際にはそれ以外のところから情報が漏れちゃうことがあるんだよ

えっ!?どういうこと? 鍵とかパスワードが盗まれるってこと?
そう、それも一種のサイドチャネル攻撃の結果かもしれません。暗号化や復号のプロセスそのものではなく、その処理中に発生する“副産物”──たとえば処理時間、電力消費、放射される電磁波、音などから、情報を読み取る手法がサイドチャネル攻撃です。
⚡️サイドチャネルの正体とは?
🔌 コンピュータの“ささやき”を聞き取る技術
処理中のパソコンやICカードを観察すると、同じ操作でも中の計算内容によって、消費電力や処理時間が微妙に変化します。その“違い”こそが、攻撃者にとっての貴重な情報源になります。
例えるなら、難しい暗算をしているときほど時間がかかる…その時間の差で、計算している内容を予測するようなものです。
🔎電力を利用したサイドチャネル攻撃
🔋 DPA(差分電力解析)とSPA(単純電力解析)

ょっとびっくりするかもしれないけど、カードの電力の変化を観察するだけで、中に入ってる鍵がバレちゃうこともあるんだよ

えっ!? そんなの物理的に見えないでしょ?
実際に1990年代末には、スマートカードなどのICチップが電力の変化を観察されて、中の鍵が盗まれたという実例も報告されています。これがSPA(Simple Power Analysis)やDPA(Differential Power Analysis)と呼ばれる攻撃です。
こうした攻撃では、暗号化の処理中に生じる微細な電力の差を繰り返し計測・分析することで、内部の秘密情報(たとえば暗号鍵)を逆算します。
🕒時間差もヒントになる!時間解析攻撃
⏱ 暗号処理の“遅れ”から秘密を暴く

たとえば、ある計算のときだけちょっと処理が遅くなると、それが攻撃者にとってヒントになっちゃうにゃ

えー、そんな細かい差まで見てるんだね…
たとえば、「処理に0.3秒かかったときは“1”を暗号化していた」とわかれば、複数のデータから傾向を読み取り、鍵の一部が判明する可能性が出てきます。これが**時間解析(Timing Attack)**です。
📡電磁波や音も漏洩源に
📻 EMアナリシスやアコースティック攻撃
実はもっと信じられないような“サイドチャネル”も存在します。例えば、パソコンから放出される微弱な電磁波や、タイピング音のパターンなどが該当します。

キーボードを打つ“カチャカチャ音”で、何を打ってるか当てる研究もあるんだよ

マジか……!スパイ映画みたい!
まさにその通り。EM(電磁)アナリシスやアコースティック解析は、現代の映画に出てきそうな高度な技術です。けれども実際に、こうした攻撃手法は現実のセキュリティ現場でも真剣に対策が求められています。
🛡サイドチャネル攻撃への対策
🧰 ソフトとハードの両面での防御がカギ!
サイドチャネル攻撃への対策として、いくつかの有効な方法があります。
- ⚙ 時間差の均一化:すべての処理を同じ時間で終えるようにする。
- 🔀 ランダムな処理の導入:ノイズを混ぜて、攻撃者に意味のある情報を与えないようにする。
- ⚡️ 電力一定化:計算中の消費電力を一定に保つ仕組みを導入。
- 🧱 物理的シールド:電磁波の漏れを防ぐ設計や遮蔽。

完璧な対策ってなかなか難しいけど、“バレにくくする工夫”がとっても大事なんだよ

なるほど、暗号って数式だけじゃなくて、“環境”も守らないといけないんだね
✅まとめ:暗号の裏口を狙う“静かな脅威”
- サイドチャネル攻撃は“理論の裏をかく”現実的な手法
- 処理時間・電力・音・電磁波などが攻撃の材料に
- 暗号が強くても、使い方や実装次第で脆弱になる
- 対策はハードとソフトの両面で必要
もふねこ: 「みんなが安心して使える暗号技術の裏には、こうした細かい努力があるってこと、覚えておいてね」

みんなが安心して使える暗号技術の裏には、こうした細かい努力があるってこと、覚えておいてほしいにゃ

うん!もう“時間がちょっと長いな…”ってだけで安心しちゃダメなんだね
現実世界では、数字だけじゃなく物理的な“気配”さえも攻撃対象になります。サイドチャネル攻撃を知ることで、より強固なセキュリティへの一歩を踏み出していきましょう。
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