✨ 多様な暗号方式の世界へようこそ!

もふねこ、暗号っていろんな種類があるけど、ブロック暗号とストリーム暗号ってなにが違うの?

いい質問にゃ!このふたつは“どうやって情報を暗号化するか”の基本的な考え方が違うんだ。今回はその違いをやさしく解説していくにゃ!
暗号技術は大きく分けて「ブロック暗号」と「ストリーム暗号」の2つのタイプに分類されます。それぞれの特性を理解することで、より適切なセキュリティ対策が可能になります。
🔒 ブロック暗号とは?一定のかたまりで守るセキュリティ
ブロック暗号は、データを一定の長さの「ブロック」に分けて、一度にその単位ごとに暗号化していく方式です。
- 🔸 DES:64ビット単位で暗号化される代表例
- 🔸 AES:128ビットブロックを使う現代標準
仕組みの特徴:
- 一定サイズごとの暗号処理(例:64ビット)
- パディング(ブロックに満たないデータの補完)が必要
- 通信やファイル保存など、一定サイズでまとめて処理する場面に最適
☁️ 実例:DES以降の多様なブロック暗号
以下のようなさまざまなブロック暗号が登場しています:
- MULTI2(日立):衛星放送向けの暗号技術(BS・CS)
- IDEA(スイス):4つのデータブロックで処理、PGPでも採用
- RC5(Rivest):鍵長や段数が自由に設定可能な柔軟な設計
- MISTY(三菱電機):線形解読への耐性を重視

ブロックごとに処理するってことは、途中で壊れても前後には影響しないの?

ブロックごとに独立して処理すればそうにゃ。でもモード(CBCやCFB)によっては連鎖することもあるから、使い方も大事にゃ!
🌐 ストリーム暗号とは?データを流れるように守る仕組み
ストリーム暗号は、文字通り「ストリーム(流れ)」のように、データを1ビットまたは1バイト単位で連続的に暗号化していく方式です。
- 🔸 平文と擬似乱数列をXORして暗号化
- 🔸 時系列データやリアルタイム通信に向いている
主な特徴:
- ビット単位またはバイト単位の処理
- 高速でメモリ消費が少ない
- 遅延が少なく、通信分野に最適
🎡 有名なストリーム暗号
- RC4(Rivest):かつて広く使われたが、後に脆弱性が発見され失速
- A5(携帯通信):GSMに使われていたが、Shamirらにより解読された
- SEAL(IBM)、MULTI-S01(日立)など企業発のストリーム暗号も存在

リアルタイム処理って、たとえば何?

動画配信とかIoT、音声通話なんかがそうにゃ!すぐに処理して送らないと困る場面では、ストリーム暗号の出番なんだにゃ〜
🚫 ストリーム暗号が広まりにくい理由
ストリーム暗号は技術的には優れているのに、なぜか主流にはなっていません。その理由にはいくつかの壁があります。
- 🔒 非公開技術が多く、外部検証がされにくかった
- 📉 標準化の遅れで普及に乗り遅れた
- 🤔 ブロック暗号の研究が進んでおり、そちらが安心されやすい

確かに、AESは公募で決まって、みんなで検証したって言ってたもんね

そうにゃ。安心して使うには“誰でもチェックできる”って大事にゃ〜
🦜 RC5解読プロジェクトが示したこと
RC5はRivestが開発した柔軟なブロック暗号で、自由な鍵長を持てるのが特徴です。その解読プロジェクト(distributed.netによる)では、短い鍵長がいかに危険かを証明しました。
- 40ビット → 即解読
- 56ビット → 約250日で解読成功
- 64ビット → 数年で突破

つまり、暗号って“どんな方式か”よりも、“どれだけ強いか”も大事なんだね

うん、その通りにゃ!方式と鍵長、両方が合ってこそ安全な暗号になるにゃ
⚖️ ElGamalと鍵共有の話から見る適材適所
ElGamal暗号は、ストリームではなく公開鍵暗号に分類されますが、“共通の秘密を安全に共有する”という点で興味深い仕組みを持っています。
- 離散対数問題に基づいた一方向性の強さ
- 異なるルートから同じ数にたどり着く構造
また、Kerberos や Diffie-Hellman、ID-NIKS のような鍵共有技術もストリーム暗号と組み合わせて活用されることがあります。

用途に応じて、いろんな暗号や共有方法を組み合わせてるんだね!

その通りにゃ。ブロックとストリーム、そして鍵共有。これらはセットで考えるのが現代のセキュリティ設計にゃ!
📊 まとめ:ブロック暗号とストリーム暗号、それぞれの強み
項目 | ブロック暗号 | ストリーム暗号 |
---|---|---|
処理単位 | 固定長ブロック(例:128ビット) | 1ビットまたは1バイト単位 |
主な用途 | ファイル暗号、SSL/TLS など | 音声・動画通信、IoTなど |
処理の特徴 | 高い汎用性と堅牢性 | 高速・低遅延処理が可能 |
代表的方式 | AES、IDEA、RC5 | RC4、A5、SEAL |
🔐 ポイント:
- セキュリティ設計は「なにを守りたいか」で選ぶ!
- ブロック暗号は“しっかり守る”、ストリーム暗号は“すばやく守る”

これで、どんな場面でどっちの暗号を使えばいいかわかってきたよ!

うれしいにゃ!暗号の世界は奥深いけど、基本を押さえれば応用も楽しくなるにゃ🐾
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