STEP 3 詳細解説

🏺 古代暗号の歴史(詳細版):スキュタレー・シーザー・アトバシュ・ポリュビウス

もふねこ

もふねこだよ🐾 古代の暗号についてもっと詳しく知りたい人向けに、4つの暗号を深掘りするね!

聖書の暗号・スパルタ軍の棒・ローマ皇帝の秘密文字、歴史がいきいきしてくるよ。

✨ アトバシュ暗号(Atbash):旧約聖書に登場する暗号

アトバシュ暗号はヘブライ語アルファベットを逆順に対応させる換字暗号。名前の由来はヘブライ語の最初の文字「アレフ(A)」と最後の文字「タヴ(T)」、2番目の「ベット(B)」と後ろから2番目の「シン(Sh)」の組み合わせです。

英語のアルファベットに当てはめた例(AをZに、BをYに…):

平文:A B C D E ... X Y Z

暗号:Z Y X W V ... C B A

旧約聖書のエレミヤ書には「シェシャク(שֵׁשַׁך)」という謎の地名が登場し、アトバシュで解読すると「バベル(バビロン)」になります。紀元前6世紀頃、バビロニアへの政治的批判を暗号化したと考えられています。


🔸 スキュタレー(Scytale):スパルタ軍の転置暗号

紀元前700年頃、スパルタ軍が軍事通信に使った世界最古級の機械的暗号道具。

  1. 特定の直径の棒(スキュタレー)に細長い革紐を螺旋状に巻く
  2. 棒方向に縦書きでメッセージを書く
  3. 紐をほどくと文字が螺旋順にバラバラになる
  4. 同じ太さの棒に巻き直すと読める

これは転置暗号(文字を入れ替える)の原型。棒の「太さ」が共有秘密(鍵)です。現代の観点では非常に弱いですが、「物理的なデバイスを使う暗号機」の最初の例として歴史的意義があります。

🔸 シーザー暗号:ローマ帝国の軍事通信

ユリウス・カエサルが「シフト3」で使ったと伝わる換字暗号。同時代の証言(スエトニウスの「皇帝伝」)に記録されており、実際に使われた最初の「文書記録がある暗号」です。

平文 A B C D E F G H I J K L M N O P Q R S T U V W X Y Z
暗号 D E F G H I J K L M N O P Q R S T U V W X Y Z A B C

※現代の英語は26文字ですが、カエサルの時代のラテン語アルファベットは「J」「U」「W」がない23文字でした。ここでは分かりやすく現代の26文字で表現しています。

また、後のアウグストゥス皇帝はシフト1(Aの代わりにB)を使い、最後の文字(当時のX)の代わりには「AA」を使ったと、歴史家スエトニウスが正確な記録を残しています。選んだ「シフト数」自体が独立した暗号鍵となります。

🔸 ポリュビウスの方陣:座標で文字を表す

紀元前200年頃、古代ギリシャの歴史家ポリュビウスが考案した換字方式。5×5のマス目に文字を配置し、行・列の番号で文字を表します。
(※英語のアルファベット26文字を25マスに収めるため、「I」と「J」を同じマスにしています)

👆 表は横にスクロールできます

  1 2 3 4 5
1ABCDE
2FGHI/JK
3LMNOP
4QRSTU
5VWXYZ

「HELLO」→「23 15 31 31 34」のように2桁の数字ペアで表現。信号灯でも送信できる利点がありました(「手旗信号の祖先」とも言える)。

📌 まとめ

  • アトバシュ:ヘブライ文字の逆順換字。旧約聖書にも登場する最古の文書記録暗号
  • スキュタレー:スパルタ軍の棒転置暗号。世界最古の「機械的」暗号道具
  • シーザー暗号:シフト換字。歴史文献に記録された最初の「名の知られた個人使用」暗号
  • ポリュビウス方陣:座標で文字を数字化。手旗信号・モールス信号の先祖
  • これらは今日では簡単に解読できるが、「暗号の概念」の歴史的原点として重要

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