✨ DESの限界とAES誕生のきっかけ

もふねこ、AESって最近よく聞くけど、何がそんなにすごいの?

AESはね、“次世代の世界標準”として選ばれた暗号なのにゃ。今日は、その誕生の物語をたっぷり教えるよ!
1990年代後半、かつて信頼されていたDES暗号が危機を迎えました。
- 🔐 鍵の長さが56ビットと短く、総当たり攻撃が現実的に
- ⏳ 時間をかければ解読可能なレベルに
この状況を受けて、1997年1月2日、アメリカのNIST(標準技術研究所)が「新たな標準暗号(AES)」の公募を開始したのです。
★ AESに課された条件
- ✔️ ブロック暗号方式であること
- ✔️ ブロック長128ビット(DESの倍)
- ✔️ 鍵長は128、192、256ビットに対応
- ✔️ アルゴリズムは公開されて誰でも利用可能
- ✔️ 高い安全性と効率的な実装が両立
このように「安全・高速・オープン」が求められたのです。
🌍 世界中からの応募と日本の挑戦

どんな暗号がエントリーしたの?

世界中から21案が届いて、その中には日本代表もいたにゃ!
- 🇯🇵 NTTの「E2」
- 🏢 IBMの「MARS」
- 🔐 RSA社の「RC6」
1997年9月に公募が始まり、15案が一次選考を通過。AES選定は“暗号のオリンピック”とも言えるほどの規模で、世界中の研究者が注目しました。
📃 AES選定会議で明かされた衝撃
1998年8月の初回協議会では、提出された暗号が一斉に評価され、波乱の幕開けとなりました。

何が起きたの?

ある暗号が、その場で“脆弱性あり!”ってバレたのにゃ!
- 🚨 MAGENTA:RSAのShamir氏が発表中に“解読可能”と指摘!
- 🔍 差分解読・線形攻撃に弱い暗号も次々と明らかに
これにより、外部評価の重要性と、暗号選定の難しさが浮き彫りとなりました。
🏆 最終候補とRijndaelの台頭
1999年、最終候補に残ったのは以下の5案:
- MARS
- RC6
- Rijndael(後のAES)
- Serpent
- Twofish

じゃあ、Rijndaelはここから勝ち抜いたんだね!

うん!安全性・柔軟性・実装のしやすさ、そのすべてで高く評価されたのがRijndaelだったんだにゃ
Rijndaelは、ベルギーの研究者Vincent RijmenとJoan Daemenが開発。性能・セキュリティ・実用性のバランスに優れ、どの環境でも高速に動作できる特長を持っていました。
🌟 AES正式採用とその意義
2000年10月、米国NISTはRijndaelを次世代標準暗号「AES(Advanced Encryption Standard)」として発表。2001年に正式採用されました。
✅ Rijndaelが選ばれた3つの理由
- 🔒 高い安全性(脆弱性なし)
- ⚙️ 幅広いプラットフォームでの実装容易性
- ✨ シンプルな構造と拡張性

アメリカ製じゃなくても選ばれたってことは、公平だった証だね!

まさに“開かれた評価”が生んだ暗号。それがAESなんだにゃ
🔑 日本・ヨーロッパの暗号標準化も進行中!
AESだけでなく、日本とヨーロッパでも独自の暗号標準化プロジェクトが同時期に進められていました。
🇯🇵 日本のCRYPTREC(クリプトレック)
- 📘 経済産業省支援のもと、IPAが主導
- 🎯 電子政府で安全に使える「推奨暗号リスト」を作成
主な参加者:
- 顧問:辻井重男(中央大学)
- 座長:今井秀樹(東京大学)
CRYPTRECでは、実用性・安全性・効率性すべてを重視して評価が進められました。
🇪🇺 ヨーロッパのNESSIE(ネッシー)
- 🛡️ EC(欧州委員会)主導で2000年にスタート
- 🔬 暗号技術全般(署名・ハッシュなども対象)を評価
NESSIEの特徴:
- ✔️ 公開評価・オープンプロセス
- ✔️ フリーで使える暗号技術を推奨

日本もヨーロッパも、それぞれ動いてたんだね

うん。AESだけがすごいんじゃない。世界全体で“安全な未来”を作るために努力してた時期だったのにゃ
📄 おわりに:AESの進化が支える現代社会
AESは、ただの暗号技術ではありません。
- 🌐 インターネット社会を支えるセキュリティの土台
- 🤝 国家主導ではなく国際的な協力によって誕生
- 🧩 実用性・安全性・効率性を兼ね備えた標準

今や、ネットショッピングもスマホも、全部AESに守られてるんだね!

その通りにゃ。AESは世界中の“みんなの力”で生まれた暗号。だからこそ、信頼できる存在なんだよ!
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