第二次世界大戦は人類史に残る大規模な戦争であり、同時に技術革新の加速装置でもありました。中でも「暗号技術」の進化は、戦争による脅威と競争によって急速に発展し、戦後の情報社会の礎となりました。今回は、戦争とともに進化した暗号技術の歴史とその影響について、もふねこが解説していきます。
💣RC5解読プロジェクト:総力戦で挑んだ暗号破り

まずは戦後に行われた、象徴的な解読プロジェクトから見てみよう!
戦争中は各国が暗号の開発にしのぎを削っていましたが、戦後もその流れは止まりませんでした。その一例が「RC5解読プロジェクト」です。
RC5とは、RSA社が開発した共通鍵暗号方式の一つ。これに対し、世界中の有志がインターネット経由で協力して「解読チャレンジ」に挑戦したのがこのプロジェクトです。
📌 特徴
- 世界中から参加した分散処理ネットワーク
- 数年間かけて暗号文の一文だけを解読
- 実用上は問題ないが、将来的な安全性への警鐘を鳴らす結果に

えっ、何年もかかって一文しか解けないの!?

うん、それだけ現代の暗号って強力なんだ。でも「将来は?」っていう問いを突きつけたプロジェクトだったんだよ。
🧪DESの終焉とAES時代の到来
🧪 技術が超えた「暗号の限界」
1977年にアメリカの国家標準として採用されたDES(Data Encryption Standard)は、長らく世界中の情報を守る要でした。しかし、90年代に入り、計算機性能の向上と共にその限界が見えてきます。
特にDES解読コンテストなどで、「全数探索による解読」が現実味を帯びてきたことから、より安全な標準が求められました。
💡ポイント
- 鍵長が56ビットで総当たり攻撃に脆弱
- 解読専用マシン「Deep Crack」がわずか2日で突破
🌐AES誕生:世界で選ばれた新標準
📜 AES選定プロジェクトの舞台裏
1997年、米NIST(米国標準技術局)が「次世代の標準暗号」を公募。その結果、世界中の研究機関や企業から21の提案が集まりました。
選考では安全性・効率性・公開性が重視され、選ばれたのはベルギーの研究者DaemenとRijmenが開発した「Rijndael(ラインダール)」でした。これがのちにAESとして採用されます。
📌 AESの特徴
- ブロック長128ビット、鍵長128/192/256ビットに対応
- 軽量で高速、かつ高いセキュリティを実現
- 公開評価のもとで選定された“みんなで選んだ暗号”

アメリカの標準なのに、ベルギー製なんだ!?

そこが大事なポイント。技術の透明性と国際的な信頼性を重視したんだよ。
💡AES選定で浮き彫りになった“本当に安全な暗号”の条件
AES選定では、多くの暗号に脆弱性が見つかりました。中でも印象的だったのは、RSA創設者Shamirがある候補暗号の弱点をその場で指摘し、会場が騒然となった出来事です。
このように、理論上の強さだけでは不十分であり、「多くの専門家による公開検証」が何よりも重要であることが明らかになりました。
✅ 選定で重要視されたポイント
- 多様な攻撃への耐性
- 実装しやすさと計算効率
- オープンな透明性と信頼性
📶未来の暗号へ:楕円曲線暗号の登場

そして今、RSAやAESの次に注目されているのが「楕円曲線暗号(ECC)」なんだ!
楕円曲線暗号は、少ないリソースで高いセキュリティを提供できる次世代暗号です。RSAと同等の安全性を、より小さな鍵サイズで実現できるため、スマホやIoT機器などでも活躍しています。
📌 ECCの魅力
- 小さい鍵でも強力な暗号が作れる
- 通信量が減り、処理も高速化
- 将来の量子コンピュータに備えた研究も進行中

戦争から始まった技術が、今のスマホにも関係してるんだね!

そう。暗号は戦争だけじゃなくて、今や私たちの生活に欠かせない技術なんだよ。
🔚まとめ:暗号技術は「戦争」が育て、「平和」を守る盾になった
🔸 戦争は暗号技術を飛躍的に進化させた 🔸 技術の公開性・検証可能性が信頼のカギ 🔸 AESやECCは、戦後の平和社会を守る柱となっている

暗号って、“戦争の副産物”じゃなくて、“平和を支えるインフラ”なんだにゃ。

なるほど、戦争がなければ今のセキュリティ技術もなかったかも…。

だからこそ、今を生きる私たちは、この技術を平和のために活かしていかなくちゃいけないんだよ!
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